中津川のかりんとう
サラダコスモ ちこり村 田村侑子
入社3年目。サラダ農園で栽培の仕事を経験した後ちこり村へ。
中津川の「食」の伝承人になるべく、修行中。
今回「中津川のかりんとう」の商品開発を担当する。
みんなに愛されるおみやげ
「これね、ウチの若い女子社員が作ったんですよ」ちこり村の売り場に立つ社長が笑顔で勧める‘おみやげ’があります。
それが、「中津川のかりんとう」
栗きんとん、ちこり茶、ちこり緑葉、坂下のそば、中津川の自慢の素材4つの味のかりんとうです。
京都出身の田村さんがはじめて、サラダコスモ・ちこり村を訪れたのは今から3年前。
大学卒業後経験したヨーロッパの生活でオーガニック食品への意識の高さに触れ、
日本ももっと自分で食べる食品のことに関心をもって欲しい、本当に良い食品を作る喜びを感じたい、
その思いひとつで飛びこんで来ました。
当時のサラダコスモ・ちこり村は、出身地や経験の異なるその道の達士!?
が多く活躍していましたが、女性社員は自宅から通う地元出身のスタッフがほとんどでした。
ひとり実家を離れ飛びこんできた田村さんに期待と同時に責任を感じたのは言うまでもありません。
そんな田村さんが初めて取り組んだ商品開発の仕事、「中津川のおみやげ」伝えたかったのは‘あったかさ’
入社一年目に配属になったサラダ農園。
農園で一緒に働いていたおじいちゃん家で蕎麦打ちの体験をしたことや地元のおばあちゃんが持ち寄る家庭の味。
それが中津川の魅力、そんな中津川のあたたかさが伝わり皆に愛される‘おみやげ’を作りたい。
中津川のかりんとう
「おみやげって、ただ物を渡すだけではないと思うんです。
もらったおみやげから、その街の味や雰囲気や魅力なんかを一緒に受け取るものですよね」と語る田村さん。
‘かりんとう’は実はどの年代からも愛されるお菓子です。
これが、‘中津川のかりんとう’ですと胸を張って贈ることができる、かりんとうを作りたい。
これが商品開発の第一歩でした。
一番の大仕事は実はかりんとう屋さんに自分を信用してもらうこと。
若い女の子が一人でやって来て、かりんとうを作って下さいと言われても
「本当に4種類も売れるの?せめて1種類にしたら?」と中々信用してもらえなかったと言います。
そこで、かりんとう屋さんをちこり村に招待し、実際に売り場を見てもらい、
こんなイメージでかりんとうを売りたいんですと一生懸命説得し、
やっと信用してもらった結果、出来上がった中津川の4つの味。
栗きんとんは、熱すると風味が飛んでしまうため、仕上げの糖蜜にペースト状にして練り込むとか、
ちこり茶には黒糖が良く合うけれど、ちこり緑葉とそばの風味には、てんさい糖が一番、栗きんとんには三温糖と細かい配慮です。
中津川の古(いにしえ)や暖かさの詰まったパッケージに包んで中津川のおみやげ「中津川のかりんとう」できました。
「中津川のかりんとう」を勧める社長の笑顔の裏側には、彼女を預かった責任を少し果たせた安堵感があるのかもしれません。